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5月 08 2008
酒のある風景 ドバイ プリント
2008/05/08 木曜日 00:00:00 JST

異文化として大変楽しい「食」

著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司

ドバイの夜景
2008- Dubai, Department of Tourism and Commerce Marketing

今回は世界中から注目される大都市、ドバイをご案内しましょう。
アラブ首長国連邦は七つの首長国が集まってできた国ですが、その中でもずば抜けた発展を遂げたのがドバイです。ここには妖しく艶っぽい千一夜物語の面影などなく、超近代的な高層ビルや巨大ショッピングセンターが軒を連ねています。
面白いことに、ここは人口の約8割がインドをはじめとする海外からの季節労働者だそうで、インターナショナルな一面も持っています。
町では、めったにアラブ人に会うことはありませんが、ショッピングセンターや高級ホテルなどへ行くと、民族衣装を着たアラブ人が忙しそうに携帯電話で話しているのを見掛けるので、やはりここはアラビアなのだと再確認します。
そんなドバイの飲食文化は一見の価値があります。高級店ではフランス料理や高級アラブ料理であるレバノン料理など供することが多いのですが、普段のアラブ人が食すアラブ料理には伝統的なものが残っており、興味深いものばかりです。ここで大前提としてすぐに思い浮かぶのはアルコールと豚肉が禁止されているイスラム世界ではないでしょうか。

実際、イスラム教アラブ人の生活ではお酒も豚肉も口にすることはありません。しかし、だからといって、飲食文化の彩が失われたわけではなく、バラエティー豊かな料理がたくさんあります。
お酒に関しては、生まれてから飲んだ経験の無いアラブ人がほとんどですから、私からすると信じられませんが、お酒を恋しいという感覚はほとんどないのも理解できます。
実際のアルコール規制は緩やかなもので、ホテルや一部のレストランでは飲めるため、観光客に不便はありません。聞くところによると休日にはお忍びで、隣国クエートやサウジアラビアからお金持ちが憂さを晴らしにお酒を飲みに来ることもあるとか。

生活風景の一コマ

2008- Dubai, Department of Tourism and Commerce Marketing


代わりにソフトドリンク文化の発達には目を見張るものがあります。日常的に飲むカッファ(アラブコーヒー)はトルココーヒーとは少し異なり、煮立てるときにカルダモンやサフランを入れたもので小さなカップで飲みます。
またレバンというヨーグルトを水で割ったドリンクやザンジャビルという生姜を入れたホットミルクなども個性的です。ただほっと一息する目的からでしょうか、どれも大量の砂糖が入っているので日本人には甘すぎるように思います。
お酒の代用品もたくさんあり、スーパーにはビールと見間違えるラベルでノンアルコールビールがずらりと並んでいます。また世界共通の甘い炭酸飲料も人気です。
料理はというと肉も魚も野菜もありますが、全体的に野菜そのものの素材を生かしたものが多く、味付けには濃厚なオリーブオイルやゴマ、ハーブ類を多用します。
アラブ風ヨーグルトドリンク(レバン)を飲む筆者

驚くべきは前菜で、サラダやペースト、具を入れて揚げたスナック等々。中でも特にお勧めなのはひよこ豆のペーストで、パンに付けたりほかの料理と組み合わせて食べると、それだけでも満腹です。前菜を食べると、ここでお酒があれば言うことなしだと何度思ったことでしょう。オリーブオイルの素晴らしい香りは間違いなくワインと最高の相性なのですから。
豚以外の肉料理も多く、鶏や牛や羊など炭火で焼いたケバブ料理は日本でも紹介されている通りです。
食後には見た目、味ともに抜群のスイーツがあります。それは乾燥デーツ(なつめやし)です。お土産にも最適で、箱に一粒ずつ入れられて、お菓子屋さんに並んだ様子はまるで宝石のようです。
それだけでも十分おいしいのですが、チョコレートでコーティングしたりナッツが入っていたりと、いろいろ工夫を凝らしています。きっとアラブの飲み物にも合うお菓子なのでしょう。
今回は残念ながら、お酒にスポットを当てることが出来ませんでしたが、異文化として大変楽しい食文化を見せてくれるイスラム世界の一端をドバイで体験してみてはいかがでしょうか。
 
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