食イズムへようこそ! IE6以前、7では一部機能がご利用出来ませんので、次世代高速ブラウザFirefoxにてご覧下さい。IE からの乗り換えは簡単です、トップページ内バナーよりダウンロードして下さい。 ※会員ログインが出来ない場合、アドレスのwwwを外したhttp://syokuism.comにて再読み込み後お試し下さい。
ピックアップ記事
最新記事
RSS配信
6月 11 2008
酒のある風景 チェコ プリント
2008/06/11 水曜日 00:00:00 JST

異文化として大変楽しい「食」

著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司

チェコの首都プラハの夜景


オーストリアの真上にあるチェコへ行ってきました。中欧に位置するチェコは、オーストリア・ハンガリー帝国に属していた歴史から、共通の芸術文化があるといわれます。

中欧は「ヨーロッパ」という言葉に抱くイメージそのままの国が多く、特にチェコは中世の美しい町並みが残っています。重厚な趣の建築物や歴史を肌で感じることができる街の佇まいなど、私たち日本人が想像するヨーロッパを現実のものとして見せてくれます。
首都のプラハは本当にかわいらしい町で、旧市街では古いトラムがコトコト走っています。高台も多く、なんと塔の数は100を超えるとか。1つの塔に登ってほかの塔を見て、プラハの町全体を眺めるのは楽しいものです。また、街を歩いているとアールヌーボー様式のホテルやカフェもたくさんあります。




面白いのは、カフェでもメニューにビールがあること。“ビールはチェコの文化”といってよいほど切っても切れないものなのです。

チェコの人々のビール消費量は半端ではありません。朝食からビール、カフェでもビール、ファーストフード店でもビールといったように、とにかくよくビールを飲みます。チェコではピルスナー(ラガー)又はトゥマーヴェ(黒ビール)の2種類が主流です。



ブドヴァイゼルの上面発酵のたる


今回、私はブドヴァイゼル醸造所へ入らせてもらいました。設備を一通り見学してみて終始気になったのが花、もしくはフルーツのような良い香りが漂っていること。

それもそのはず、ここでは近代的なものから伝統的なものまで、さまざまなビールづくりを行っていますが、中でもかたくなに伝統的方法に固執しているのが上面発酵(常温発酵)ビールなのです。上面発酵の特徴は発酵中に液面に浮上する上面酵母を使用することや、下面発酵ビールよりも香味成分が多くフルーティーな風味のものが多いこと。館内に漂っていた香りは、このためだったのです。また上面発酵のビールは木のたるで仕込みます。それがずらりと並ぶ様子は、まるでワイン醸造所の趣です。

ちなみに、このブドヴァイゼルのスペルは「BUDWEISER」。お気づきのように、あの世界一の生産量を誇る米国の「バドワイザー」の名前の本家本元がここなのです。その商標をめぐり訴訟問題にまで発展し長く争っていましたが、ここが元祖であることは明らかでしょう。おまけに米国産は下面発酵(低温発酵)ビールで、同じ名前とはいえ泡の豊かな切れのあるビールですから別ものといえます。

チェコのグーラッシュ(牛肉煮込み料理)

つけ合わせはチェコの主食ともいえる「クネドーリキ」という酵母と小麦粉でつくったお団子パン


ところで、チェコの人々はビールをあまり冷やしません。乾燥地帯のチェコではこの上面発酵ビールを冷やしすぎずに飲めば大変おいしく感じられるはずです。

日本ではチェコ料理はまだあまり知られていませんが、ビールと良く合う料理がたくさんあります。例えばシチューの類であるグーラッシュ。これはハンガリーが起源ですが、チェコのものはスパイスが強すぎないため食べやすく、どこか懐かしい洋食という表現がぴったりだと思います。またローストビーフも伝統料理の1つで、かけるソースにはさまざまな種類があります。私はメーン料理もさることながら、付け合せも楽しみ。サワーキャベツや煮込み野菜はそれだけでもビールによく合います。クネドリーキという小麦粉でつくったお団子状のパンもチェコ料理の主食でよく出てきますが、酒のつまみとしてもお勧めです。

欲張りな私はチェコ独特の雰囲気で、ビール片手にチェコ料理を食べたくなり、その要望に応えてくれるレストランへ行ってみました。もちろん飲むのはブドヴァイゼル。チェコを訪れたら、是非チェコ料理と上面発酵ビールを楽しんでみてください。


 
< 前へ   次へ >