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2008/06/25 水曜日 12:00:00 JST |
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一般的に「茶道」と言うと、「お茶碗はまわして飲まなければいけない・・・」といった作法にばかり目が行ってしまって、敷居の高いもの、日本酒とは縁のないものと思われがち。でも決してそんなことはありません。茶道の中からは、今日の日本酒の提供に活かせる様々なヒントを見つけることができるはずです。
ここでは、女性にもっと楽しんでもらいたい「酒器選び」を、茶道という伝統文化から探ってみたいと思います。
茶道では、お茶を飲む茶碗やお茶を入れる茶入、それを酌む茶杓、お湯を沸かす釜、その釜の蓋を置く蓋置き、そしてお水を入れる水指などひとつの席で様々な「茶道具」が使われます。それらの茶道具や床飾りをセレクトして、そのときの季節や訪れたお客様に合わせた提供を行うのですが、この道具の取り合わせというのが実にユニークなのです。例えば、暑い夏の日などは今でこそクーラーが当たり前の時代ですが、茶道が成立した頃から近代までは、クーラーはもちろん扇風機など存在するわけがありません。そのようなときには少しでもお客様に涼しく感じていただけるよう、水を連想させるようなガラスのお茶碗を使ったり、手桶の水指を使ったり、井戸の形をした蓋置きを使ったりして演出をします。すると不思議なもので、熱いお湯で点てたはずのお茶(抹茶)なのに、そこに茶室全体の演出と相俟って「涼」を感じることができるのです。日本酒であれば、新酒や冷やおろしといった季節による味わいの変化がありますが、お茶の場合は、基本的に一年を通してその味わいが大きく変わるようなことはありません。でもこのような道具の取り合わせを工夫するによって、一服のお茶の中に四季の移ろいや人生の機微といったもの表現することができる、これこそお茶の何よりの醍醐味と言えます。
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日本酒をより多くの方に楽しんでいただくためには、テイスティ ング能力を洗練させてその味わいを適切に表現したり、料理との相性を考えた提供を行ったりすることを決しておろそかにしてはいけませんが、それ以上に大切 なのは、お客様に日本酒を飲んでみたいと思わせるような演出であり、少しでも美味しく召し上がっていただくための雰囲気作りなのではないでしょうか?もし お客様が、一杯のお酒の中に、散りゆく桜の果敢なさや、新緑の木々の美しさ、紅葉していく自然の不思議さを感じていただけたなら、そんなにすばらしい日本酒の提供はないと思うのです。
文:中村祐輔
きき酒師、酒匠。3年前より遠州流茶道を習い、第2回世界きき酒師コンクールでは、酒器を活かした提供が評価され、ファイナル進出を果たす。ホームページ「楽酒之指南所 酒処中村」を運営。
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