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2008/07/31 木曜日 00:00:00 JST |
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異文化として大変楽しい「食」
著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司
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首都ブタペストの景観
提供:ハンガリー政府観光局
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このところ、立て続けに中欧の美しい国々を調べています。今回はハンガリーを訪れました。ここの首都はブタペストですが、何といっても「酒」が主目的ですから、有名なトカイワインを見るべく一目散にトカイ地方へ向かいました。

葡萄畑
提供:ハンガリー政府観光局
トカイワインはこの地方を世界的に有名たらしめた極めて貴重なワインです。これはフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼと並ぶもので、世界三大貴腐ワインとして君臨しています。
マリアテレジアやルイ14世、ナポレオンらが愛飲していたといわれ、恋愛や病気治療にまつわる多くのエピソードも残っています。
トカイには中世以来時間が止まってしまったように変わらない農村や小さな町とともに丘陸地帯にブドウ畑が広がり、地下に迷路のように張り巡らされたワインセラーが素晴らしい景観を生み出しています。
この辺りは広大な湿地帯に近いため、秋から冬にかけて畑を覆うように濃霧が発生します。その湿気によってブドウの房に貴腐菌の灰色カビが発生し、それが糖分を凝縮させうま味成分を作り出すことで、一見カビだらけの干しブドウから貴腐ワインが生まれるのです。
そして、地下のセラーの中で気の遠くなるような長期間の発酵と熟成を経た後、黄金色に輝くトカイワインが生まれます。
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甘みのランクは、ほかの2大産地とは異なる作り方で、ランク別に分けたワインに、極甘口の貴腐ワインを加えるという方法を取っています。甘さはプットニッシュという表示で数字で表示されているため、初心者にも親切です。ちなみに3~6までのレベルは、数字が上がれば上がるほど甘口になります。
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ハラース・レ(魚と野菜のスープ)
提供:ハンガリー政府観光局
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ハンガリー料理に話を移りましょう。ハンガリー料理は、一見チェコやロシアと似ていると思われがちですが、中身は全く異なります。
まず、ハンガリー料理に欠かせないもの、それはパプリカ。市場へ行くと、これでもかというほどのパプリカを使って装飾をしたウィンドーや、パプリカのパウダーがお菓子の様に綺麗に包装されているものを見かけることができます。これはハンガリー独特のもので一見の価値があります。
ハンガリー料理では、グーラッシュを始めとする煮込みや炒め物、スープなど多くの料理にパプリカを加えるため、全体的にスパイシーな味わいになります。
個人的にはハラース・レーという魚と野菜のスープが気に入りました。一口目の感想は「とにかくスパイシー」という一言でしたが、次第に濃厚な野菜の味と複雑でバランスの取れたスパイスがクセになり、何度も食べていました。
コックさんの話によると、ハンガリー料理には肉や魚が入るけれども、真髄は様々な野菜の味、そしてスパイスの調合にあるとのこと。
これだけスパイシーな料理が多いと、ハンガリーの人々が辛党だということは想像できますが、そこにもってこいなのが甘いトカイワイン。
他国ではトカイワインはデザートワインとしてとらえられていますが、実際はトカイワインの中にも甘さ控えめなものも多く、立派な食中酒として料理との相性も良いのです。
今回、たった一つ心残りなのは、特産品であるフォアグラにトカイワインを合わせて食すことができなかったこと。噂によると相性抜群だとか。次回こそ試そうと心に決めました。
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