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3月 05 2009
酒のある風景 バルト三国 プリント
2009/03/05 木曜日 00:00:00 JST

広い敷地、市場は食のメッセ会場

著者:料飲専門家団体連合会事務総長 右田圭司

ラトビアの首都リガの中央市場


 

1991年(平成3年)に、まるで運命共同体のように再独立を果たしたバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)。東西の勢力に阻まれ、過酷な歴史を共有してきた三国ですが、現在は経済や政治も安定し、EUへの加盟も果たして活力を取り戻しています。

 バルト三国といっても、本当はひとくくりにできないほど個性的で、首都の趣も全く違います。エストニアの首都タリンは、中世の香り漂う古風さと、フィンランドからフェリーが航行することによる国際的な感覚がミックスして魅力的です。

ラトビアの首都リガはドイツの影響が強く、欧州の印象があります。また、リトアニアの首都ビリニュスは教会の数が多く、祈りを奉げている信者をよく見掛けるため、ほかの二国に比べ静かで厳かな印象を受けます。

 一方、国同士がこれだけ近いせいか、食に関しては共通項がたくさんあります。主食はジャガイモやライ麦パン。野菜や乳製品が豊富で、おいしいお酒もたくさんあります。  

どこへ行っても大きな市場があり、バルト三国の台所といえるほど何でもそろっています。 

特に気に入ったのは、リガの中央市場。青空市場に併設してプレハブの建物が数棟あり、その中も市場になっています。しかし、中をのぞいて驚きました。棟ごとにジャンルが分かれ、肉専門の隣は野菜専門といった具合で、さながら「食のメッセ会場」のようです。

広い敷地をぐるりと回れば、生鮮食品や乳製品、パン、キャンデーなどのお菓子、さらには日用雑貨に至るまで、何でも手に入ります。欧米式の大型スーパーに慣れてしまっているせいか、実に新鮮に感じられます。

酒類は、バルト三国どこへ行ってもウォッカや地ビールの生産が多く、市場でもレストランでも楽しめます。

ビールにはたくさんの種類がありますが、お勧めは麦の香りがしっかりと感じられるスタウト(上面発酵)ビール。実はバルト三国のビールの根強いファンは世界中にいるといわれ、一度飲んでみれば納得がいくはずです。

 郷土料理は田舎料理ですが、どれも体に優しいものばかり。多くの料理にロシアやドイツの雰囲気が残り、歴史の影響を感じます。エストニアのセリャンカというトマト味のスープ、ラトビアのラトビア風カツレツやロールキャベツ、リトアニアのシャルティバルシチェイという赤カブスープやリトアニア風餃子等々。どこか中欧や北欧、ロシアで見掛けたような料理なのです。

 もちろんレストランで食事をするのも良いと思います。ただお勧めは、市場で新鮮な食料や飲み物を買い込んでホテルで一杯やること。野菜は特にラディッシュの辛味、トマトやキュウリの濃厚な味に感動しました。

そして忘れてならないのがホースラディッシュ(西洋わさび)の瓶詰。一緒に買ってきたハムなどに少量つければ味は抜群で最高のオードブルになります。ハムの種類はドイツ並みですから、ソーセージやローストビーフなどいろいろと楽しめます。

そのほか、キノコやキャビアの瓶詰などもおすすめです。これでスタウトのビールで乾杯すれば酔い心地も最高潮。合いの手にウォッカの用意をお忘れなく。

 


 



 

 


 
 



 
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